日経MJ
ちょっと時間が経ったけど、5月2日付け日経流通新聞(MJ)に下記のような記事が載りました。
http://hospitalityjapan.jp/media/Nikkei%20MJ%20Design%205-2-2007.pdf
ブティックMotaiがあるビル、パズル青山の1Fには150㎡ほどの中庭があって、そこを中心に行っているイベント「街の風」についてインタヴューを受けたものです。このイベントは3月に予告編的に一度行い、4月29日が第1回となるものです。
Motaiを開店した昨年は、この中庭で友人が来ては軽いパーティをしていたのですが、今年に入って、知人と一緒に青山、外苑、神宮前の町興しをテーマに、イベントを実施しようという話になったのです。この地域は、70年代にはデザイナーの集まるホットなスポットだったのですが、ある時期から、大人のおしゃれな街というキャッチフレーズはあるものの、なんとなく寂れた感じになっていました。特に昨今は、六本木ヒルズ、表参道ヒルズ、東京ミッドタウンと大資本による大掛かりな仕掛けでの街づくりが進み、話題も人もそちらに行ってしまっています。
Motaiのあるパズル青山は、あのニコルが世界に羽ばたくこととなった伝説のビルです。ですから、今でもパズルの上階にはアパレル関係の会社がたくさん入っています。また、周りのビルも70年代に出来たものが多く、とても個性的な建物が多いのも特徴です。建物を専門に取っている写真かも良く来るそうです。
パズルの中庭もなかなか素敵です。(写真を見てください)ちょっとヨーロッパ風の感じで、何よりも中庭という贅沢が70年代です。冬は寒くて厳しいですが、連休辺りから10月ごろまでは、夕方過ぎから夜中まで気持ちよくいられます。去年は、8時ごろ集まり、デリバリーで食べ物を頼み、近所でお酒や飲み物を買ってきて、遅い時は12時ごろまでやってたわけです。
僕がこのイベントで考えていたのは、人の集う場の創造とデザインです。中庭もそのままではただの空間、ただの物置、ただの通り道なのですが、何か仕掛けを作ることで、人がそこに留まる。人々が留まり集うと、何かが生じる。それが文化ではないか。
去年の仕掛けは酒と食べ物だけだったけれど、今年はもう少しいろいろな仕掛けをしてみようと思う。インタヴューでも話したが、大きな資本が大きな施設を作るのとは違う、集う人たちの交流の中から生まれる何かがとても大事なのではないだろうか。
Motaiのコンセプトはローカルからグローバルです。ローカルの文化から生じた本物を世界にということです。ローカルとは、そこにいる人が地に足をつけて生き、作り出すものだと思います。だからこそ、ローカルの集合である、グローバルに理解されるわけです。今、世界中で進んでいるグローバライゼイションとは全く相容れない。
もう一つはそこには様々な人が集まるということ。その多様性と偶然性のインプロビゼイションが良い。物質Aと物質Bが出会えば何らかの化学変化が起こり、周りに何らかの影響を及ぼす。その事が楽しいではないですか。そういうジャズ的スリルが僕は好きなのです。
是非チャンスがあったら、中庭に漂いにきてください。何か起こるかもしれませんよ。
コメント