Pooheeのブックホリック(本の蟲)
第1回「The ペ・ヨンジュン論 女たちは、なぜこんなにも彼を愛したのか」
マツヤマ ジュンコ著 英治出版
何故僕がこの「The ペ・ヨンジュン論 女たちは、なぜこんなにも彼を愛したのか」(を読んだか。まだ、僕のことを知らない読者の方はわからないかもしれませんが、僕を良く知る人だったら、「えーPooheeはそういう趣味もあったの」と驚かれると思います。そうでなくても、男がぺ・ヨンジュンのドラマや本を本気で見たり、呼んだ入りしたら、いずれにしろ「えー」モノかもしれませんね。
そうなんです。多分普通だったら僕が中々手に取らない本だと思います。そんな本書をどうして僕が読んだかというと、著者のマツヤマ氏が僕の知り合いだったからです。知り合いといっても、共通の友達の結婚式に10年くらい前にあったのが最初で、それから数週間して、その結婚した共通の友達と3人で食事・飲み会を一度だけし、何度か手紙とメールをやりあっただけの知り合いなんでが・・・この話はこれで面白いのですが、書評とは関係ないので止めます。
そんなに分厚い本ではないということもありますが、僕はほぼ半日くらいでザーッと読んでしまいました。とても面白かったですね。でも、「ぺ・ヨンジュン論」というよりは、ぺ・ヨンジュンという俳優や出演したドラマ・映画を通してみた、中年ジェンダー論、現代日本の芸能界論、演技論、文化論という感じで、面白く読んだのだと思います。
特に中年ジェンダー論は僕自身が今ジェンダーに関心を持っているので(このことは後日書くと思います)、余計に面白く読みました。
著者はぺ・ヨンジュンファン(ヨンジュン「家族」といわれているそうだ)の年齢層を30代から80代の女性が中心だとしている。そして、彼女達はただおばさんをやってきたのではなく、それはときめくものがなかっただけだった。だから、ヨン様が出現した時、彼女らは再び「女」になったのだという。おばさんたちは着飾り、化粧をし、エステに行き、シェイプアップし、ダイエットをして、ヨン様を迎えに成田に行く。中には、弱っていた足腰が丈夫になったりした人もいるという。
おばさんはおばさんになってしまっていたのではなく、おばさんをして待っていたというわけだ。この本の面白さはこの見方に代表される、著者マツヤマ氏の視点だ。
マツヤマ氏は本業がコピーライターであるからして、とても表現力豊かに、そして説得力ある文章を書いている。話し言葉調で初めて読むと軽く感じるかもしれないが、内容はかなり深い。本人自らが大のヨン様ファン(家族)であるのだが、その辺りの感情も適度に出しつつ、客観的なオブラートも駆使し、読み応えのあるものとなっている。
表紙はマツヤマ氏の旦那の装丁だが(多分)、これまたラメ調のキラキラした、でも全体としては落ち着いた色調の、まさに中年の★ヨン様論らしさが良く出ていますね。
この本はヨン様家族の方々は勿論、ヨン様とは接点のないあなたにもお勧めです。
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