「高校時代の思い出」
授業の課題の第2弾です。学生のメールを読んで考えた事です。
例えばここでは、高校時代の思い出ですが、こういう体験にはその人なりのストーリーがあることを忘れてはいけないな、と気づかされました。部活や文化祭、体育祭などの非日常や特別の出来事が多い中、今年は、お昼を食べる友人たちとか、日々遊ぶ仲間とかそういうのが結構ありました。
最初はなんとなく拍子抜け、みたいにこれらのメールを読んでいたのですが、よく読んでみると、その日常の淡々とした中に、結構その人なりのストーリーがあるのです。高校3年生というのは閉じているわけではなく、小中高と流れ大学、社会人と流れていく、その途中の3年間なんですね。人によって、何かにこの時期に気づく人もいるし、もっと早い人も遅い人もいる。それぞれなんですね。
大事なのは、その人の人生の流れというか、ストーリーです。その流れを忘れて、その何が一つだけが大事で後はどうでもいいということは決してないのです。
中にこんな事を書いている学生がいました。恩田陸著『夜のピクニック』を読んでただ歩くということになんとなく共感を覚えた、懐かしさを感じた、というのです。それは、自分たちの遠足と重なった体験に起因しています。なんということも無く、歩く、この友人たちと歩くという体験に思いが込められていきます。そこには、日常と非日常のまだらな日々の中で、やっぱり友人が大事、単調な日々が大事ということなのです。
そこにも、ある種ストーリーがあります。未だ僕の中で、考えがまとまらない部分もあるのですが、このストーリーということをしばらく考えたいな、と思っています。本当に学生には感謝です。
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