2008年1月29日
1月27日の大阪女子マラソンは、19位の入賞者がヒロインになるという、なかなか面白いレースとなりました。
ご覧になった方も多いと思いますが、北京オリンピック女子マラソンの最後の1枠を目指して戦うレースは、その意味ではあまり印象的ではありませんでした。
というのも、本気で北京を目指して、必死でレースに臨んだランナーが福士一人だったからだと、僕は思いました。日本人1位(全体で2位)の森本友も、本人のインタヴューにあるように逃げのレースしか出来ていませんでした。
福士が、何故十分な練習なしにフルマラソンに出場したかは分かりません。正直、永山監督の力量には懐疑的な僕です。
新聞や翌日のTVなどで、「最後福士は意識もなく気力でゴール」などとコメントされていましたが、何度もフルを走った経験から言うと、基本的にランナーはゴールを目指すものです。TVで見ている限りは、福士は意識はきちんとして、ゴールを目指し、完走したのだと確信しています。
トップクラスのランナーはプライドや将来の為に、失速したらレースをやめることがあるけれど、ランナーとしての本能はやはり完走してゴールを目指すものだと思います。
今回の福士の完走はそういう意味で、福士という選手が本当に走るのが好きな人なんだ、という事を示しているものと僕は思いました。そして、福士は素敵なランナーなのだと思いました。
あの感動は、トリノ冬季オリンピックでの荒川静香のイナバウアーに匹敵するものです。
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榎本 達彦
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