Benesseの調査によると、小中学生の勉強時間が若干増加しているという。細かく見てみると、成績上位者では増えているが、下位者では減っているという。その差は小学生で43分、中学生で20分とのこと。そして、成績上位者の勉強時間が増えている理由は、塾での勉強時間であるという。
同様の動向は高校生でも見られ、成績最上位者と最下位層との差は60分あるという。大学全入時代になり、成績中位以下の高校生に受験のプレッシャーがなくなり、競争が成績上位者に集中しつつあると言う。
まさに教育格差、教育の二極分化現象といえるだろう。それにしても、最近食傷気味の格差問題である。
この記事を読んでいてふと思ったことがある。成績上位者は東大京大一橋、早慶を目指して無意味な知識を蓄積しに塾通いに精を出す。中位以下の生徒は、何をするか。ある者は趣味に精を出し、ある者はスポーツ、ある者は遊びまわり、ある者は・・・・。と考えていった時。うん、上位者は「詰め込み教育」で、中位以下の生徒は「ゆとり教育」だ。しかも、このゆとり教育は文部省の「ゆとり教育」ではない。自らが自分のために持つゆとり教育だ。
やり方によっては、とても面白い教育や社会が出来上がるかもしれない。
今僕は、大学の落ちこぼれ学生に補講をしている。彼らは無目的に大学に入学し、ルーズな大学生活を送っている(=自分勝手に授業をサボり、抜け出し、バイトをし、ふらふらしている)。でも、個別に話してみると、それなりに自分の人生を考えている。きちんとこちらが聴く耳を持つと、きちんと話してくる。そして、目標を設定すれば、自分で動き始める。
その時点で、教育格差の落ちこぼれのリベンジが始まるのかもしれない。彼らの脳みそは、教育に毒されていない。それはとても新鮮だ。その新鮮な脳みそに僕は魅力と可能性を感じている。