3月17日に東京、椿山荘で開かれた2006年ノーベル平和賞を受賞したムハムド・ユヌス氏 の中小企業家同友会主催の講演会に行きました。ムハムド・ユヌス氏は、貧しい国、貧富の差が激しいバングラディシュという国で、極貧の階層のしかも女性を対象にした救済策としてhttp://muhammadyunus.org/content/view/184/128/lang,ja/を作りました。グラミン銀行 とは、村の銀行という意味で、先進国をはじめとする経済国家の銀行とは全く違います。
グラミン銀行は、銀行から行動して貧しい女性達に自立を呼びかけます。極貧で普通銀行では全く相手にされない文盲の人達です。
呼びかけられた女性達は、自分がお金を持つことなど信じられなく、30ドル(3000円)ほどの融資にも拒否反応を示します。是非にと勧めても、それなら自分ではなく旦那さんに言ってほしいと言います。
それでも、グラミン銀行は女性の自立を即す地道な活動により、少しずつ極貧の女性達の支持を得て行きました。30ドルを手にした女性は鶏を買い、鶏が産んだ卵を売ることにより少しずつ生計を立て始めます。返済は毎月少しずつ、1年で無理なく返します。以後は、利益になります。グラミン銀行からお金を借りている人達は皆グラミン銀行のオーナーになります。グラミン銀行の運営に少なからず携わります。そして、はじめて手にした自立に感謝し、銀行には確実に返済します。返済率は98%を超えます。
グラミン銀行からお金を借りる極貧層は文盲の人がほとんどです。従来、この階層の人達は子供も学校には行きませんでした。グラミン銀行では、グラミン銀行からお金を借りた人の子供の就学率100%を達成しました。その子供達が育って行き、やがて医者や弁護士などを目指す優秀な子供達が育ってきました。高等教育を受けるには莫大な資金が必要です。高等教育を受けたい子供達にグラミン銀行は、学習ローンを融資しました。
バングラディシュの極貧の文盲の両親から生まれた子供達にも高等教育を受けて、高い専門分野で国の内外、世界で活躍するチャンスが訪れるのです。
グラミン銀行では、高等教育を受けた子供達から就職相談を受けます。「どうしたらよい職業につけるのでしょう?」
グラミン銀行の答えは、「あなたはグラミン銀行を支える両親の子供です。仕事は他の人から奪うのではなく、他の人と分かち合える仕事を創り上げることです。」ポジティブに考えましょう!「自分で考えて、どのように投資したら利益がもたらされるか、人々を幸福に出来るか創造しましょう」です。
ムハムド・ユヌス氏は、entrepreneur(=企業家、起業家)である私たちとの共通点を指摘されました。規模は小さくても自分で考え、切り開き、創造していくこと。そして道を開いていくこと。起業家のビジネスとは自分で明確なビジョンとミッションをもって創り上げていくことを改めて実感させられました。
グラミン銀行は、現在世界中に輪をひろげています。今後日本ではムハムド・ユヌス氏の活動は立教大学を中心に進んでいきそうです。立教大学にもクロスカルチャーや国家、宗教などを超えた異文化コミュニケーション学部 や高齢者を対象とするセカンドステージ大学 が設立されています。
世界的経済危機の中、中小企業、起業家が生き残っていくためにはどうしたらよいか?同時に社会貢献はどうしたら実現できるのか?中小企業でも避けて通れないグローバル化の中でどのように会社運営を行っていけばよいのか?そして何よりも、人を幸せに、自立を実現する社会を作り上げることにどのように貢献したらよいのか?様々な課題をもらった素晴らしい講演でした。
from Cecilia 。(⌒∇⌒。)(。⌒⌒)。
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