小学生の校内暴力
9/1付け朝日新聞朝刊にこんな記事が載っていた。リード部分をまとめると、『都教委の調査では前年比1.7倍とのこと。教員は「子どもと信頼関係が築きにくくなり、荒れる原因も把握しづらい」といっている。また「学校が学力向上に重心を移すなか、子どもたちをどう受け止めればいいのか分からない」という意見もある。』
暴力の内容は、器物破損29件、教師への暴力は15件、ある教師によると、実際はこんな数ではない、という。
でも、常識的に考えて、大の大人が小学生に暴力を受ける、ってちょっと理解しにくくないですか。確かに小学校6年生くらいだと最近は大きい子どももいるのかもしれないけれど、少なくとも1対1なら大人は負けないでしょう。
じゃ、何だというと、記事の中ではコミュニケーションということが言われていた。でも、最近はコミュニケーションばやりで、コミュニケーションの中身がよく分からない。多分、ひとによってその理解がずいぶんかけ離れているのではないだろうか。
確かにコミュニケーション不足、ということはあるのだと思う。じゃ、コミュニケーションって何、に入っていくと話は広がりすぎてしまう。とりあえず、生徒と正面から向きあい、対話するというとしておきましょう。
要するに先生たちは生徒と向き合うということが出来ていない、ということなんですね。このことは、実は親も同じ、つまり大人が子どもに向き合えていない、ということではないでしょうか。これは今の日本の状況の一面をしっかり捉えているように思います。大人がコミュニケーションできないから、当然その子どもも出来るはずはない。基本的に子どもは大人を見て、言葉とかコミュニケーションを身につけるのです。
教師も、医者も、政治家も、大人たち皆がコミュニケーションブレイクダウン症候群=日本は今コミュニケーションブレイクダウン、だということですね。これは価値観の喪失ということにも通じるわけです。
こんな状況の中で、教師は自信が持てない、教師自身の中の価値観がブレている。生徒をガツンと怒れない、指導できない。そんなブレた教師を見て、生徒が信頼するはずはない。しかも、親も同じなのですから、普段から大人に対して不信しかもてない。
要は、これは子どもの問題じゃないということなのです。それが大人には、当たり前ですが、分かっていない。